村上春樹にご用心 価格: 1,680円 レビュー評価:4.0 レビュー数:20 村上春樹の学術的書評、としては読まない方がよいのかもしれません。
ブログやこれまでの文章を元に再構成をされたものたと思いますし、
あくまで、内田樹のエッセイのひとつととらえた方がよいでしょう。
「平易な言葉で新たな視点を提供してくれる」というのが、
内田樹の著作の、わたしにとっての醍醐味です。
本書も例にもれず
「村上春樹」というピンポイントのテーマをもとに、
「村上春樹という人・著作」に限らず、現実の様々なことを考えさせてくれる良著です。
これまで村上春 |
カンガルー日和 (講談社文庫) 価格: 470円 レビュー評価:4.5 レビュー数:22 知り合ったのは中学生...村上春樹を知るきっかけになった本☆
短編集で不思議な世界観にのまれ、はまりました↑なかなか理解までは... |
風の歌を聴け―Hear the wind sing 【講談社英語文庫】 価格: 714円 レビュー評価:5.0 レビュー数:8 ご存知、村上春樹さんのデビュー作です!
まずはクオリティーの高さにビックリ!
最初からこんなに書けたんだ?、すごい!と感じました!
これを読んだら作家をめざす人のほとんどが尻込みしてしまいそう!
英語のほうですが、村上作品のメジャーなものは英訳されているのですが、、
いつも思うのは翻訳者の質の高さです!
他の作家だと、原作と翻訳が「別の本」のようなものが多い中で、
村上さんの翻訳者はレベルが高いのか原作世界とのずれが少ないのです!
むしろ翻訳のほうが村上さんの世界が、わかりやすいかも?と思う |
|
本当の戦争の話をしよう (文春文庫) 価格: 680円 レビュー評価: 4.5 レビュー数:18 「彼らはいつ死ぬかもしれぬ男たちが背負うべき感情的な重荷を抱えて歩いていた。悲しみ、恐怖、愛、憧れ、それらは漠として実体のないものだった。しかしそういう触知しがたいものはそれ事態の質量と比重を有していた。それらは触知できる重荷を持っていた。彼らは恥に満ちた記憶を抱えて歩いていた。彼らは辛うじて制御された臆病さの秘密を共有していた。(中略)人々は殺し、そして殺された。そうしないことにはきまりが悪かったからだ」。(村上春樹訳、文春文庫) 1999年、ピューリッツァー賞、米国書評家協会賞という2つの賞の最終審査に残った『The Things They Carried』(邦題『本当の戦争 |
辺境・近境 (新潮文庫) 価格: 500円 レビュー評価:4.5 レビュー数:25 著者はノモンハンの草原で戦争の残骸を目にし、雌狼が追いつめられて射殺されるという場面に遭遇します。
そのあと、ホテルで部屋全体が大地震のように激しく揺れるという体験をします。
そして、その振動や闇は外部からやってきたものではなくもともと自分の中にあったものが何かのきっかけでこじ開けられたのだと書いています。
旅の非日常性の中で私たちが究極的に求めるものは、それを意識するしないにかかわらず、もともと自分の中にあったものがこじ開けられるという体験ではないかと思います。よくいう「自分探し」というやつですね。
なにも世界の辺境まで行かなくても、四国で |
ポートレイト・イン・ジャズ (新潮文庫) 価格: 820円 レビュー評価:4.5 レビュー数:17 村上春樹 といえば、彼のデビュー連作「風の歌を聴け」「1973年のピンボール」の頃から、作品の中に数曲のジャズの名曲が流れている。この本でも触れられているが、村上の最も好きなジャズマンといってもいいスタン・ゲッツ。彼のバンドの名作<ストーリー・ヴィル>でのライブ盤。"At Storyville" の中の一曲は、「1973年」にも流れていた。「僕」は、"Jumping with Symphony Sid" を口笛で!
本書で選ばれたビル・エバンスのアルバムは、"Portrait in Jazz" ではなく、"Waltz for Debby" 。日本で最も売れてい |
村上春樹 イエローページ〈3〉 (幻冬舎文庫) 価格: 800円 レビュー評価:5.0 レビュー数:1 混乱する人がいると思うので単行本との関係を説明すると、
これは荒地出版社から出た『村上春樹イエローページPart2』の文庫版です。
「Part1」は2分冊で文庫になったのに、今回は1冊にまとめられています。
(だから、ちょっとややこしい)
扱われている作品は『アンダーグラウンド』『約束された場所で』『スプートニクの恋人』
『神の子どもたちはみな踊る』『海辺のカフカ』『キャッチャー・イン・ザ・ライ』。
文庫化にあたって『アフターダーク』から最新作『1Q84』第1部・第2部を踏まえた加筆が随所に施され、
「まえが |
村上春樹 イエローページ〈2〉 (幻冬舎文庫) 価格: 520円 レビュー評価:5.0 レビュー数:2 イエローページ1と同様この本も村上春樹の小説の解釈を行っている.個人的に一番面白かったのはノルウェイの森についての箇所.
ノルウェイの森は素晴しい小説だと思う.村上春樹というよりは今まで呼んだ作品の中でもトップクラスの衝撃を与えてくれた.だが「この小説の何処が良い」と聞かれた時に上手く答えることは出来なかった.感じたことをそのまま言葉に出来ないことを幾度も歯がゆく思ったものだ.
それをこの本はさらっと代弁してくれた.ノルウェイの森が与えてくれた感動の源泉,それをたったの数行で・・・それだけでもこの本は読む価値があった. |
ティファニーで朝食を 価格: 1,260円 レビュー評価:4.5 レビュー数:23 ティファニ―で朝食を読むと、夜はやさし(フィッツジェラルド)のローズマリー
を思い出す。ホリーとローズマリーはまったく別の人格であり、まったく異なる世界で
まったく異なる人生を歩むが、彼女達にはある共通した記号(役割)を感じる。
ティファニーで朝食は映画でも有名で、実際に映画を見たことはなくてもタイトル
は知っているとか、 オードリー・ヘプバーンの愛くるしい姿を思い浮かべられる方も
多いと思う。映画は映画として素晴らしい。そして、小説には小説として別の世界観
がある。
小説の |
村上春樹 イエローページ〈1〉 (幻冬舎文庫) 価格: 520円 レビュー評価:4.0 レビュー数:3 この読解本を読み終えた後では、村上さんの作品が自分の中で「小説」ではなく「思想書」に近い雰囲気を帯びてきているのを感じます。読んでみれば分かりますが、どの内容も単なる「こじ付け」や「都合のいい解釈」ではないのは、加藤氏はじめゼミ生数十名による集団的批評による評論精度の向上の結果の賜物でしょう。本当にお疲れ様です。村上作品に対する自分の持つイメージを大切にする方もおられるでしょうが、真実を知りたければ本書を手に取ることを強くお勧めします。少なくとも僕は既成の見解を打ち壊され、激しいショックを受けました。「漠然と小説を読む」という行為は、村上春樹にはもったいない。読む=理解ではないこと、小説は一 |
夜のくもざる―村上朝日堂短篇小説 (新潮文庫) 価格: 700円 レビュー評価:4.5 レビュー数:11 90年代後半に、J・プレスやパーカー万年筆の雑誌宣伝のために糸井重里が企画した超短編シリーズ。作家本人も広告効果をあとがきで心配していますが(笑)、こういうフワフワした広告企画が実際に通ってしまった当時の「業界」の雰囲気には、不景気な今とは隔世の感を感じます。内容の方も企画同様にフワフワしたナンセンス・ショートショートで、重く暗い長編作品が増えてきていた当時の春樹が息抜きのように気軽に書いているのが伝わってきます。
「広告」というメディアの特性上、重いテーマが入れ込むこともなく、春樹特有のポップな味わいのみを手軽に読めますが、どの話も3ページ程のボリュームなので |